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コンテンツマーケティング狂騒曲
先週末、ある大手メディア企業がコンテンツマーケティング事業に参入するという記事がウェブ関係のメディアで取り上げられていました。
その企業自体がデジタル分野での存在感がそれほど大きくありませんでしたので、若干の驚きとデジャブ感のある報道という印象をうけました。
このニュースに接するまでもなく、メディア不況の中で起死回生を狙うオールドメディアや運用型広告に次ぐステージを模索するリスティング業者を中心に、コンテンツマーケティングの光の中に集まるプレイヤーは増加の一途をたどっています。
ただ、そのどちらのグループの走光性にもいまひとつ腹落ちしないのはなぜなのでしょう。
私たちは、コンテンツマーケティングというコンセプトがメジャーになる前から、関係性(コンテキスト)という獲物と格闘してきました。
目的指向の高いメディアとして登場したウェブの価値を高めるためには、ウェブコンテンツと利用者との間の関係性の構築が不可欠なのではないか。
その関係性を組みあげていくのがウェブマーケティングであるべきだと考えていたのです。
そのためには、マーケットを知らなければなりませんし、ユーザーが求めるものと企業が発信したい情報のスムーズなコネクティビティの演出も求められます。
しかし、コンテンツマーケティングがウェブマーケティングという舞台のセンターポジションに立つようになると、 「コンテンツを強化しましょう。そのためには新規コンテンツの増産が欠かせません。専門の編集チームが必要です...」というようなオールドメディア発信のトレンドが生まれました。
一方では、「検索上位やコンバージョン率を上げていくためにはコンテンツが重要です」という、SEOやリスティング業者側からのメッセージが混在した狂騒曲が繰り広げられていました。
先の大手メディア企業がコンテンツマーケティング事業に参入するという報道も、この流れの中でとらえると非常にわかりやすいメッセージです。
私たちは、この状況を整理するのは難しくないと感じています。
必要なのは、コンテンツとコンテキストを明確に区別し、資産としての情報とマーケティングとしての情報を分けて考えることです。
コンテンツとコンテキストの役割を明確に区別しながら、それぞれのアプローチと定義を明確にすることができれば、現在の混乱状況のかなりの部分を整理できるはずです。
そうして考えると、昨今のコンテンツマーケティングのほとんどはコンテキストマーケティングと呼んでもいいでしょう。
コンテンツマーケティングとコンテキストマーケティングを混同すると、そのマーケティングは高い確率で失敗します。
いずれの枠組みも、これまでのデジタルマーケティングに比べてとてもわかりやすい構造を持っているためです。
この2つのアプローチの役割を明確にし、お客さまにとって本当に必要なコンテンツと手法を組み上げるには、大きな仕掛けも、特殊な思考も必要ありません。
どのお客さまにもコンテンツマーケティングの「種」はあります。
その種をお客さまと一緒に探し出し、大きく育てていくのが当社の役割だと考えています。