ムーンファクトリーが、あのダカール・ラリーを完走！？

「なんのこっちゃ？」と思われるかもしれませんが、まずは、過去のブログをご覧ください。

「ダカール・ラリー」と聞けば、40～50歳代の特に男性は「ああ、パリダカ（パリ-ダカール・ラリー）ね！」と思われる方が多いと思います。
その時、真っ先に思い浮かぶのが、カップ麺のCMと砂煙をあげながら砂丘を疾走するラリーカーではありませんか。

時は流れて、現在は「ダカール・ラリー」と名称が変わり、「パリ」という冠がつかなくなっています。
名前が変わっても、世界一過酷なラリーレイド（冒険レース）であることに変わりはありません。
ついでに申し上げますと、今は「ダカール」の地名とは関係のない南米がラリーの主戦場となり、「パリダカ」よりも過酷なレースになっています。

2018年1月に開催されたダカール・ラリーは第40回目を迎え、ペルー、ボリビア、アルゼンチンの3ヵ国をまたぎながら、砂漠あり、標高3600mの山岳コースありの全長約8600kmを14日間かけて走破するコース設定でした。

ムーンファクトリーは今年もダカール・ラリーに挑戦しました！

そんなダカール・ラリーとムーンファクトリーの関係は2017年にはじまり、今年で2年目になりました。

といっても、社員がレースに出場しているわけではありません。
このレースに二輪部門で参戦しているHRC （株式会社ホンダ・レーシング）様のオフィシャル・スポンサー（サプライヤー）として、京セラ様、日本精密測器様、そしてムーンファクトリーが一体となって、クルーの健康を見守るデジタル技術を活用した仕組みを開発・提供しています。

京セラ様がTrque（トルク）という超タフなAndroidスマートフォンを提供し、日本精密測器様が血中酸素濃度を測定する機器・血圧計・非接触式体温計。
ムーンファクトリーはそれらを使ってBluetooth通信経由でバイタルデータを取得・収集するアプリケーションを開発するという体制で臨んでいます。

ダカール・ラリーは気の遠くなるような距離に加え、平地から高山まで高低差が0m～3600m、気温差もマイナス5℃～40℃と刻々と環境が変わります。
過酷な環境の中、高山病になったり、暑さや寒さ、疲れで体調を崩すクルーも出てきます。
ライダーはもちろんですが、サポートクルーも必要最小限の人数でキャラバンを組んで移動しますので、たった一人の体調不良でもレース結果に致命的な影響を与えることもあり得るのです。

そのため、クルーの体調不良の前兆をいち早く察知して、陰でレースを支えるのがバイタルデータ収集の大切な役割となっています。

ホンダ・レーシング様を陰で支えたムーンファクトリーのスマホアプリ

レース中のクルーは余裕が全くありません。アプリケーションの信頼性はもちろん、極限まで追求したユーザインターフェース、ストレスを感じさせないレスポンスが要求されます。

さらに、レース中は不具合があるからといって簡単にアプリケーションをアップデートできる状態にありません。そのため、通常のアプリケーションより格段に高い技術レベルが求められます。

それでも、同じアプリケーションを使うのであれば品質の改善への取り組みもできますが、レースは挑戦の連続です。
今年は新しいオーダー（機能追加）がありました。どんなオーダーが来たのか書きたいところですが、企業秘密に属するものなのでブログに記載するわけにはいかないのが残念です。
バイタルデータ測定時間短縮のための様々な工夫とだけ記載させていただきます。

オーダーを聞いたときは、「できるかな？」と関係者一同は思いましたが、四苦八苦しながらもこれらを実装し、なんとか本戦を迎えることができました。

HRC様のレース結果は、昨年に引き続き今年も堂々の総合2位。バイタルデータを取得して体調を見守り続けた効果もあって、体調を崩すクルーが皆無だったそうです。

ムーンファクトリーの経営理念は「ムーンファクトリーにかかわる、すべての人をしあわせにし、あまねく世界をしあわせにする」です。
ほんの一部ですが、このスマートフォンアプリケーション開発によって、経営理念の実現に少しだけ近づくことができたと思っています。

このアプリケーションの裏話を書き始めると1冊の本になるくらいの分量がありますので、お聞きになりたい方は、ぜひ、八丁堀のムーンファクトリーへお気軽にお越しください。