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究極のバリアフリーテクノロジーってなんだ?

4月18日~20日、「ヘルスケアIT 2018」が開催されました。「予防」「医療」「介護」の3つをテーマとした、医療とITをつなぐ国内最大級のイベントで、海外からも注目されています。

イベント会場の中は、スマートウォッチやウェアラブルデバイスなどを使ったデモンストレーションや、モバイルアプリ、PCのUIなどを映し出した大きなモニターが並び、どこから回ろうか目移りするほどです。

その中で目に飛び込んできたのが、「お年寄り見守りサービス」という展示パネルが一際目につくブースに置かれた、特大の「ドローン」。

現代の「お守り」

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「ドローンの説明をする前に、まずはお年寄り見守りサービスから説明させてください」 と説明スタッフの前置きがあって、「お年寄りを見守るのはあれなんです」と少し離れた場所に展示してあった「お守り」を指します。その「お守り」こそがこのブースのメインの展示物でした。

お守りの中には500円玉くらいの丸い金属プレート(タグ)が入っていて、それが超微弱電波を発信しています。このお守りをお年寄りに身に着けてもらうことで、居場所や、行動しているか、止まっているかなどの状態がわかるというものです。

その情報は家族のスマートフォンに送られ、いつでもどこでも遠方の家族を「見守る」ことができるようになる仕組みです。しかも非常時には光って居場所を知らせ、警報通知までしてくれるとのこと。まさに現代の「お守り」でした。

さらに、持ち主の行動データは収集、蓄積され、集計や分析に役立てることが可能とのことでした。...と、ここまではIT業界では一度は聞いたことのある技術なのですが、1つだけ大きく違ったのは、「インターネットが通じなくても通信が可能」というポイントです。

インターネットを使わない技術

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このお守りの通信はWi-Fiではなく、Bluetoothを使います。「自律分散通信ノード」という専用のネットワーク機器を設置することで、停電やインターネット障害などで通信網が遮断されても、お守りからの電波を受信し、安否所在確認ができるのが最大の特徴です。

災害時の停電やインターネット障害で、家族や身近な人たちとの連絡手段が断たれてしまう可能性は少なくありません。「お年寄り見守りサービス」とうたっていましたが、このお守りが真の力を発揮するのは、そんな非常事態時です。

そして最初に目に飛び込んできた巨大ドローンは、「お守り」を持った人がいる場所が被災して「孤島」状態になった時などに、必要な物資を入れて運ぶものだそうです。

職業柄、つい「インターネットありき」で物事を考えてしまいます。でも、そんな枠に捕らわれた考えで方では、これからの世界では通じなくなる。そんな現実が目の前に迫ってきていることを実感しました。

究極のバリアフリーデザイン

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しかも、「お守り」に複雑な操作は必要なく、ユーザーは身に着けるだけで良いのです。スマートフォンやIoTの登場で、私たちの生活はより豊かに、便利になってきています。ですが、「誰もが豊かで便利になっているのか」というと、そうとは言い切れません。

沢山の素晴らしい機能が詰まっていても、使えなければその人にとっては「ただの機械の箱」です。そうした状況に遭うのは、多くが高齢者だったり、体の不自由な方たちのような災害弱者の方々だったりします。

どんな状況でも、誰もが自由に情報を発信し、アクセスが可能であること。そのためには、操作しやすいUIやデバイスがより一層、重要な役割を担うことは間違いありません。そのために、情報のユニバーサルデザイン・バリアフリーデザインは、これまでムーンファクトリーが手掛けてきたウェブやアプリの設計やデザインでも取り組んでいる部分です。

ですが、それらは全て「インターネット」を前提として作ってきました。これから先、その前提を取っ払ったご要望がいつ来てもおかしくありません。そんな時でも、枠に捕らわれない発想でお応えし、「誰もが使えるモノづくり」をしていく姿勢でありたいと思います。

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