ダカール・ラリーの勝敗を左右する不安要素の一つ、スタッフの体調不良。この要素を取り除くため、2017年、本格医療アプリ「HealStyle」が極限のラリーに参戦する。
“世界一過酷なモータースポーツ競技”とも称されるダカール・ラリーは、約2週間で8000km以上の悪路を走破する。砂漠や高地といった条件の下で繰り広げられるレースは、その過酷さゆえ「全ての完走者が勝者である」とも言われるほどだ。
ラリーではマシン性能に話題が集まりがちだが、過酷な条件はマシンだけではなくそれを支えるスタッフにとっても同じだ。特に、日頃からフィジカルトレーニングが不足がちなサポートスタッフは激烈な環境下では体調を崩しやすい。2015年のラリーでは、ホンダレーシング(HRC)のスタッフ数名が4000m級の高地で高山病になったという。
スタッフが体調を崩すことはレース展開そのものに大きな影響を与えることを意味する。マシンやライダーをサポートできるのは、ライダーがキャンプ地であるビバークに戻ってから日の出までのわずかな時間。その限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮する必要があるからだ。万全な状態でラリーに挑める体調を維持していくことが、勝利のための重要なポイントとなると言っても過言ではない。
そこで、16年のラリーでバイクを見守ってきたTORQUE(トルク)を生かし、“バイクも人も見守る”コンセプト実現に向けて抜擢されたのが、日本精密測器のバイタル計測機器とムーンファクトリーのアプリ「HealStyle」だ。
極限のラリーを支えるアプリ開発に挑む男たちの様子をレポートする。