B2Cとは似て非なる、B2BのSNSマーケティング
2025.05.14
#IT TRENDS
「当社はB2B企業だから、SNSは必要ない」――そう思い込んでいませんか。
しかし、いまや多くのB2B企業がSNSを活用し、着実に成果を上げ始めています。見込み顧客の獲得、ブランドの構築、そして採用活動の支援――これらを実現するうえで、B2BにとってSNSは欠かせない存在になっています。
今回は、そんなB2B企業とSNSマーケティングの関係についてまとめてみました。
Editing by Kimura Akira
B2B企業がSNSマーケに注目するワケ
B2B市場では、情報収集や比較検討の流れが大きく変化しています。かつて主流だった展示会や電話営業に代わり、SNSやWeb検索の比重が増してきました。特に購買担当者の多くがインターネットを活用して自ら情報を収集するようにったこともあり、これまで接点のなかった見込み顧客層にも容易にアプローチできるSNSの注目度が上がってきています。
B2Bにおいて最も重視されるのは、「この会社は信頼できるのか」という点でしょう。その信頼を築くためには、企業の専門性や実績、社員の声、顧客との関係などを長期的に発信し続ける必要がありました。これまでも、継続的な情報発信によって信頼感あるブランドを育ててきましたが、SNSはこうした「信頼」という無形資産を育てる舞台装置としても有効性が認められています。
さらに、購買行動そのものも変わってきました。かつては営業担当者が主な情報源でしたが、今では検索やSNS、レビューサイトなどから得た情報を意思決定の参考材料として活用するということも一般的になっています。あるデータでは、営業担当者と接触する前に、すでに検討段階の7割近くが終わっているともいわれています。そうした背景もあって、「B2B取引の最初の接点」としてのSNSに期待が高まっています。
広がるSNSマーケの応用分野
SNS活用は、決して一時的な流行ではありません。明確な目的のもとに導入される、戦略的なマーケティング手法です。見込み顧客の獲得、ブランドの醸成、採用活動の支援――それぞれの場面で、SNSは異なる役割を果たします。
たとえば、見込み顧客の獲得では、業界の課題に関する知見やノウハウをSNSで発信することで、新たな関心層の流入を促すことができます。それが資料請求やWebサイト訪問のきっかけとなり、さらに有益な情報を継続的に届けることで関係性が深まり、購買意欲へとつながる可能性が広がります。特にB2Bの取り引きでは意思決定に時間がかかるため、SNSを通じた長期的な信頼の蓄積に効果を発揮します。
また、SNSは外部向けの広報だけでなく、採用活動や社内ブランディングにも役立ちます。企業の日常や社風、社員の声を発信することで、企業像をより立体的に伝えることが可能だからでしょう。若い世代を中心に、SNSを通じて企業を知る傾向が強まっており、採用活動との親和性は高いと言えます。さらに、SNSを通じて理念やビジョンを共有することで、組織内の一体感の醸成にも寄与します。
製品の違いが分かりにくいB2B領域においては、専門性や思想が競争力の源になります。技術解説、導入事例、社内での取り組みなどを発信することで、他社との差別化が図れ、業界内での存在感を高めることが可能になります。SNS活用が進んでいない分野であれば、先行することで大きな優位性を築けるでしょう。
B2B界隈のSNSマーケティング事情
SNSの使い方や目的は、B2Cのそれとは少し異なります。B2BにおけるSNS活用では、「なぜ発信するのか」「誰に届けるのか」を明確にすることが非常に重要です。無闇に情報の拡散を狙うのではなく、届けたい相手に確実に届ける。そのためには、目的に応じたプラットフォームの使い分けが欠かせません。たとえば、採用目的であればInstagramやLINEが有効で、リード獲得にはLinkedInやnoteが適しています。狭く、そして深く。質の高い接点を築くことが、成果への近道です。
また、広告費をかけずに情報を発信できる点も、SNSの大きな魅力です。コロナ禍によりリアルの接点が減ったことをきっかけに、多くの中小企業でもSNS導入が進みました。企業規模にかかわらず、独自の強みや専門性を発信することで、ブランド価値を高めることができます。実際に、大企業と肩を並べるようなブランド力をSNSで築いた事例も、多くのメディアで紹介されています。
B2CとB2Bで際立って異なるのがプラットフォームの多様化です。特にB2B領域では「LinkedIn」が注目株のひとつだと言ってもいいかもしれません。ビジネスに特化したSNSとして、意思決定層や専門職に直接アプローチできる点が強みで、「社員インフルエンサー戦略」と呼ばれる発信手法も効果を上げています。今後、その活用の幅はさらに広がるでしょう。
SNSは、B2B企業にとって「信頼の接点」となる重要なメディアです。単なる広報手段にとどまらず、ブランドを育て、見込み顧客を引き寄せ、志ある人材との出会いを生み出す――SNSは、そうした戦略の中核を担う存在です。
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