SEOだけではWebサイトの活性化はできない、そのワケ

2025.05.22

#Webサイト運用

検索エンジン最適化、いわゆるSEOは、Webサイトに見込み顧客を呼び込むために不可欠な施策として広く認知されています。Web担当者にとっては、もはや基本的なスキルのひとつと言ってよいでしょう。
しかし、実際にはSEO対策に多くの時間と労力を投じても、期待した効果が得られないケースも少なくありません。なぜ、SEOだけではWebサイト全体を活性化できないのか----その背景には、Web界隈では語られることの少ないSEOの限界が存在します。

Editing by Kimura Akira

SEOはあくまで「集客手段のひとつ」にすぎない

SEOは、検索結果に自社サイトを上位表示させ、訪問者数を増やすための有効な手段です。ですが、サイトに人が集まることと、そこから成果が生まれることとは、まったく別の話です。たとえば、購買や問い合わせといった「コンバージョン」に至らなければ、どれだけ多くのアクセスがあっても、それは"集まっただけ"に終わってしまいます。
本当に重要なのは、検索から流入してきたユーザーに対して、どのような行動を促すのかを明確に設計することです。検索キーワードとページ内容の整合性、ユーザーの動線設計、コンバージョンポイントの構築など、SEOだけでは補いきれない要素が多く存在します。SEOは単なる入口であり、その後の導線こそが成果に直結するのです。

SEOの効果はつねに「変動する」

検索エンジンは、ユーザー体験をより良くするために、アルゴリズムを頻繁に更新しています。そのたびに検索順位が大きく変動し、それまで有効だったSEO手法が突然通用しなくなることも珍しくありません。この不安定さに対応するためには、常に最新情報を収集し、迅速に戦略を見直す体制が求められます。ところが、そうした対応に追われるあまり、他のマーケティング施策に十分なリソースを割けなくなっている企業も少なくないのが実情です。
SEOに傾倒するあまり、変化しづらい基盤づくりやブランド育成など、より長期的な視点の施策が後回しにされてしまうのは避けるべきです。

ユーザー行動は多様化している

ユーザーが情報を得る手段は、いまや検索エンジンだけではありません。SNSや動画配信サービス、音声アシスタント、画像検索など、多様なチャネルを通じて情報が行き交っています。たとえば、同じ検索キーワードであっても、地域や使用するデバイス、あるいは個人の好みによって、求める情報は異なります。一律のSEO対策では、そうした多様なニーズに応えきれなくなってきています。
テキスト中心の従来型SEOだけに頼る手法は、すでに限界を迎えつつあるのかもしれません。

依存しがちなSEOの「短期成果」

SEOは、検索順位やアクセス数など、目に見える指標を示しやすい施策です。結果が数字として現れやすいため、効果を説明しやすく、社内でも評価されやすい傾向にあります。一方で、コンテンツマーケティングやSNSによるファンづくりなど、長期的に信頼関係を構築する施策は、成果が数字として表れにくい傾向があります。これが、Web戦略全体におけるバランスを崩す原因です。
仮に検索順位が上がっても、ユーザーにとって有益な情報が提供されていなければ、すぐにページを離れられてしまい、かえってサイトの評価を下げてしまう可能性もあるのです。

現場を取り巻く「評価指標」

「SEOだけに頼っていてはダメだ」という意識があっても、現場にはそうせざるを得ない理由が存在する場合があります。Webの専門知識が少ない社内関係者に説明する際には、つい「アクセス数」や「検索順位」といった、分かりやすい指標に頼らざるを得ない状況もあると言われます。
結果として、数字で示しやすいSEOに注力することが常態化し、ほかの重要な施策が後回しにされる----。こうした状況に陥っている企業も少なくありません。

SEOは、Webマーケティングを構成する重要な要素であることは間違いありません。しかし、それはあくまで手段のひとつにすぎません。ブランドを築き、良質なコンテンツを提供し、ユーザーとの関係性を長く保ち続ける。その全体像の中で、SEOの役割を正しく位置づける必要があります。
いま求められているのは、SEOを起点としながらも、コンテンツ設計、UXの最適化、他チャネルとの連携を通じて、多角的にユーザーと接点を持つこと。それが、Webマーケティングにおける成功の鍵となるはずです。

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